性感染症
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いまもっとも注意しなければならないのは、性感染症(STD)です。
代表的なSTD感染症のなかで、いまもっとも注意しなければならないのは、セックスや性的な行為によってうつるSTD(Sexually transmitted diseases;性感染症)。代表的なものに、梅毒、淋病、クラミジア、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、HIVなどがあります。
梅毒や淋病は、昔流行った病気というイメージがありますが、20代を中心に、いま再流行していて、特にクラミジアは、若い女性の間で静かに広まりつつあります。
セックスをしている人なら、誰でもSTDにかかる可能性があります。
結婚している人や、セックス・パートナーが決まっている人は、「私は大丈夫」と思いがち。けれども、相手がSTDにかかっていれば、その人としかセックスしていなくても、またセックスしたのは1回だけであっても、うつる可能性があります。
感染力が強いのもSTDのこわいところです。病気によって感染力は違いますが、HIV以外はどれも強く、1回のセックスで感染する確率が、80%以上もある病気もあります。セックスをしたら、誰でもかかる可能性があるわけですから、STDをもっと身近な病気としてとらえることが大切です。
予防や治療はパートナーと一緒に!
症状が軽いから、恥ずかしいからと病院へ行かず、治療しない人がいますが、放っておくと、不妊やガンの原因になったり、HIVにかかりやすくなったりすることがあります。また、梅毒のように、全身に影響がでる病気もあります。
コンドームをつかって予防することが、なにより大切ですが、万が一症状がでてしまった場合は、パートナーと一緒に治療すること。STDは一度かかれば免疫ができるというような病気ではありませんから、自分だけ治療しても、相手が病気に感染したままだと、再感染(ピンポン感染)することがあります。
主な性感染症の案内
淋病
性感染症の中でもポピュラーな疾患であり、1回のセックスでの感染率は約30%とも言われています。免疫ができる感染症ではないため、一度感染しても再感染する可能性があります。男性は尿道炎に、女性では子宮頚管炎や、悪化すると失明のリスクが高まる淋菌性結膜炎などになりえます。
クラミジア
性感染症の中で特に多いと言われ、10代後半から20代の感染者が多いのが特徴です。男性は尿道炎や精巣上体炎、女性は子宮頸管炎になる可能性があります。妊娠・出産への影響も大きく、流産・早産・不妊の原因になるばかりか、赤ちゃんにクラミジア肺炎が起こる恐れもあります。
雑菌性尿道炎
セックスによって淋菌やクラミジア菌以外の雑菌が尿道に侵入して起こり、「非クラミジア性非淋菌性尿道炎」とも呼ばれています。男性は尿道に違和感が生じ、排尿時に痛みが起こります。一方、女性は下腹部痛があることもありますが、自覚症状がないことがほとんどです。
梅毒
陰茎や肛門、膣など感染した部分にしこりが現れます。症状がおさまっても病原体はなくなっておらず、全身に広がり、赤い発疹が生じることもあります。ただし、そのまま症状が出ないケースもあります。妊婦が感染すると胎児も感染し、死産・早産などのリスクもあります。
性器ヘルペス
性器に水ぶくれが多数でき、ただれると激しい痛みや発熱が伴います。水ぶくれはお尻や太ももにみられることもあります。治療をしてもウイルスは死滅させられません。再感染の可能性がありますので、感染を抑える治療が有効です。
尖圭コンジローマ
ヒトパピローマウイルスの感染によって、性器や肛門周辺に小さなイボができます。かゆみなどの症状はあることもありますが、ほとんど自覚症状はありません。 当院では免疫賦活治療法であるクリーム剤(ベセルナクリーム)という塗り薬をお勧めすることが多いですが、大きさ、数により、電気凝固や切除を選択する場合もあります。再感染のリスクは消えません。男性は陰茎がん、女性は子宮頸がんの原因になります。
HIV感染症(AIDS)
母乳や精液などの体液からHIV(エイズウイルス/ヒト免疫不全ウイルス)に感染して起こります。感染すると免疫力が低下していきますが、症状がないまま発病まで個人差はありますが潜伏期間が約10年間もあると言われています。進行すると身体が衰弱し、カポジ肉腫などの病気を引き起こします。ウイルスは死滅させられませんが、病気の進行を抑える治療は可能です。