夜尿症
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夜尿症について
夜尿症とは、5歳以降に少なくとも月に1回以上のおねしょが3カ月以上あるものをいいます。夜尿は5歳児で20%程度、10歳児で5%程度にみられ、どの年齢においても男児が2~3倍多いことが知られています。おねしょは通常、抗利尿ホルモンの正常な分泌、排尿器官の成長など、身体の成長にともない解消されますが、乳児期から引き続いている一次性と、一度見られなくなってから何らかのきっかけで再び見られるようになった二次性がありますが、80%以上が一次性の夜尿症です。5歳以上の子が月に何度も””おねしょ””をしてしまうことを「夜尿症」といいます。
※日本夜尿症学会(夜尿症診療ガイドライン2016)より
夜尿症は身体に害が無いため、「いずれ治るだろう」と放置されがちですが、子供自身のストレスや自信喪失につながることもありますので治療や対策で解消することが望ましいです。
おねしょはそのほとんどが、未熟性によるもので、病気でないことがほとんどなのですが、時には病気が原因で起こっていることがあり注意が必要です。
夜尿症の種類
- 一次性夜尿症
乳児期から引き続いている夜尿症。夜尿症の80%以上が一次性といわれています。 - 二次性夜尿症
一度見られなくなってから何らかのきっかけで再び見られるようになった夜尿症。
きょうだいができたり、入園や入学、両親の離婚など生活環境が変わるストレスで起こることがあります。
夜尿症の原因
夜尿症の3大原因は以下のとおりです。
夜間多尿
夜間に、尿量を妨げる「抗利尿ホルモン(ADH)」の分泌が不足するために起こります。
通常このホルモンは昼間に少なく、夜に多く分泌する為、本来ならば夜、頻繁にトイレに行く必要はありません。
しかし、抗利尿ホルモンが不足していると尿が多い状態となり、尿があふれてしまうのです。
就寝中の排尿筋過活動
膀胱排尿筋が過活動になると就寝中の膀胱の容量が少なくなり、尿を溜めることができず、尿があふれることで起こります。
睡眠覚醒障害
なんらかの睡眠障害があり、睡眠中に尿の容量がいっぱいでも目が覚めないことで起こります。
これらのいずれか、もしくは複数の要因が重なり合うことで、夜尿症を引き起こしています。
睡眠中の尿を十分膀胱に溜めることができるようになる、または尿意でトイレに起きることができるようになれば、夜尿症は改善することになります。
夜尿症の治療
- 生活指導
水分や塩分の摂り方に気をつけましょう。特に寝る前の2~3時間は水を飲まないようにします。
叱ってしまいたくなる気持ちもわかりますが、ストレスは禁物。患者様それぞれに合った治療を進めつつ、長い目で見てあげましょう。 - 薬物治療
症状に応じて、夜間の尿の量を少なくする「抗利尿ホルモン薬」、膀胱の収縮を抑えリラックスさせることで尿を多く溜められるようにする「抗コリン薬」、眠りを浅くして夜間の尿意を気付きやすくする「抗うつ薬」、精神をしずめる「漢方薬」などを用います。 - アラーム療法
夜間睡眠中に排尿が起こると尿をアラームセンサーが感知し警報音等で、夜尿症患者を覚醒させる治療法です。
作用に関しては、即効性はなく、治療作用の実感まで数カ月かかることが多いです。
アラームを鳴らして排尿を途中で止めることで膀胱の容量を増やす目的があります。
詳しくは当クリニックにご相談ください。